
特定技能(在留資格)とは?簡単解説編

特定技能(在留資格)について解説
特定技能は、日本で働く外国人労働者のための在留資格の一つであり、人手不足が深刻な業種で即戦力となる外国人を受け入れるために設けられました。本記事では、特定技能の概要や対象職種、募集方法、受け入れの流れ、そして受け入れるメリットについて解説します。
1. 特定技能の概要
特定技能とは、日本の特定の産業分野において、人手不足を補うために設けられた在留資格です。2019年4月に新設され、即戦力となる外国人が日本で働けるようになりました。
特定技能の種類
特定技能には 「1号」 と 「2号」 の2種類があります。
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特定技能1号(在留期間:最長5年)
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対象職種:指定の12分野
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技能水準:試験に合格、または技能実習2号修了者
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日本語能力:試験合格、または技能実習2号修了者
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家族の帯同:不可
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特定技能2号(在留期間:更新可能)
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対象職種:現在は2分野(建設業・造船業)のみ
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技能水準:熟練した技能が必要(試験合格)
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日本語能力:特に要件なし
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家族の帯同:可能
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2. 特定技能の対象職種
特定技能1号の対象職種は、以下の12分野です。
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介護
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ビルクリーニング
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素形材産業
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産業機械製造業
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電気・電子情報関連産業
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建設業
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造船・舶用工業
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自動車整備業
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航空業
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宿泊業
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農業
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漁業
特定技能2号の対象職種は、「建設業」と「造船・舶用工業」 の2分野のみですが、今後拡大の可能性があります。
3. 特定技能の募集方法
特定技能外国人を受け入れるためには、以下の方法で募集を行います。
(1) 海外での募集
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外国人が特定技能試験(技能・日本語)に合格し、企業が直接雇用する。
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海外の送り出し機関を通じて人材を探す。
(2) 国内での募集
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技能実習2号を修了した外国人を特定技能に移行させる。
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既に日本国内にいる特定技能の資格を持つ外国人を採用する。
企業は、特定技能の人材を募集する際に、監理団体や登録支援機関 を活用することで、スムーズな受け入れが可能になります。
4. 受け入れまでの流れ
(1) 企業側の準備
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特定技能外国人を受け入れるための体制を整える(給与・労働条件の設定など)。
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登録支援機関 に支援業務を委託するか、自社で対応するかを決定する。
(2) 人材の選定・契約
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海外または国内で特定技能人材を募集し、面接・選考を行う。
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雇用契約を締結し、在留資格認定証明書を申請する。
(3) 在留資格の申請
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出入国在留管理庁に在留資格「特定技能」の申請を行う。
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審査が通れば、外国人は在留資格を取得し、入国できる。
(4) 入国・就労開始
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外国人が入国後、企業は生活支援や職場研修を実施する。
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登録支援機関 または企業が、外国人の生活・業務サポートを行う。
5. 受け入れのメリット
特定技能外国人を受け入れることには、多くのメリットがあります。
(1) 人手不足の解消
特定技能外国人は即戦力として働くことができ、人手不足の解決につながります。
(2) 長期間の雇用が可能
特定技能1号は最長5年、特定技能2号であれば更新可能なため、安定的に雇用できます。
(3) 教育コストの削減
特定技能の試験に合格した人材は、一定の技能を持っているため、研修コストを削減できます。
(4) 海外展開の可能性
ベトナムやフィリピンなどの外国人を受け入れることで、将来的な海外展開の足掛かりになることもあります。
(5) 職場の多様化・活性化
異なる文化を持つ外国人が加わることで、新たな価値観が生まれ、職場が活性化します。
まとめ
特定技能制度は、日本の労働市場において重要な役割を果たしています。特定技能1号・2号の違いや対象職種、募集方法、受け入れの流れを理解し、企業がスムーズに外国人を採用できるように準備することが大切です。特定技能外国人を適切に活用することで、企業の成長につなげることができるでしょう。