
外国人技能実習制度
目次
外国人技能実習制度とは
外国(主に新興国)の方が日本の企業で働くことにより日本の高い技術を身につけ、その国の発展を担う人を育てる「人づくり」を目的として創設された国際協力のための制度です。
来日して企業で働いて技術を磨くことで、日本の品質管理や、製品が生まる過程を実体験として学ぶことができる制度で、実習生とその母国にとって非常に有益な制度となっています。2010年までは研修生と呼ばれていましたが、同年に法改正があり、技能実習生として新たなスタートを切りました。 ※日本の企業などで技術、技能を身につけるために日本に来ている外国人を技能実習生と言い、この技能実習生を受入れるための制度を外国人技能実習制度と言います。
外国人技能実習制度のしくみ
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① 実習生の募集と選抜(送り出し機関)
ベトナムでは、日本に技能実習生を派遣するための「送り出し機関」があり、ここで実習生の募集と選考が行われます。
募集条件:年齢18歳以上(業種によって異なる)、健康であること、学歴や日本語能力などの条件がある場合もある。
面接試験:受け入れ企業や監理団体がベトナムに赴き、面接を実施することもある。
適正検査・健康診断:選考を通過した候補者は、技能実習に適した健康状態かどうかを確認する。
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② 日本語研修・実習生を日本へ派遣
選考に合格すると、ベトナム国内で約4~6か月の日本語研修を受けます。
日本語教育:N4レベル以上を目指し、基礎的な日本語を学ぶ。
文化・マナー研修:日本での生活ルールや仕事のマナーを学ぶ。
業務研修:実際の仕事内容についての基礎的な知識を習得する。
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③ 集合講習(日本到着後)
技能実習生は、日本に到着後約1か月間の入国後講習を受けます。これは、監理団体(組合など)が実施し、主に以下の内容を学びます。
・日本語教育(実践的な会話)
・日本の法律・労働基準法(労働時間、休日、残業規則など)
・日本の生活習慣・交通ルール
・防災・安全対策
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④ 配属・技能実習開始
企業に配属され、実際の業務をスタート
・最初の1年は「技能実習1号」として基本的な業務を学ぶ。
・監理団体が定期的に巡回し、実習状況を確認。
・1年目の終わりに「技能検定基礎級」試験を受験
・合格すると技能実習2号へ移行し、さらに2年間の実習が可能(最大3年)。
・不合格の場合、帰国することもある。
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⑤ 技能を習得・帰国
・契約満了後、帰国準備を開始(通常は3年または5年)。
・日本での住民登録の抹消、銀行口座の整理、退職金の受け取りなどを行う。
・帰国後、技能実習で習得した技術を活かし、母国での就職支援を受ける。

技能実習生は上図のような流れを経て、母国にある送り出し企業及び送り出し機関をから日本へやってきます。日本側では当組合のような監理団体を通して実習実施機関(企業様)に受け入れていただき、技能実習を行います。組合が受け入れ申請等の作業を行うことで企業様の負担が軽減され、秩序だった適正な受け入れの実施が可能になります。
技能実習生はどのような資格で日本に滞在?
外国人の方が技能実習制度を利用し実習生として日本で働くためには、日本に中長期に滞在する在留資格である、【技能実習】の許可をとる必要があります。この許可を取るために日本側の企業様、そして送り出し国側の企業技能実習生候補者の情報、さらにはどのような技術を勉強するのか等、様々な情報を整理して入国管理局に申請しなければなりません。複雑な申請や現地とのやりとり、そして日本語教育等を私ども協同組合が受け持つことで企業様には、実習そのものに専念していただくことが可能となる制度です。2010年までは「研修生」「特定活動」という在留資格で日本に滞在していましたが現在は【技能実習生(1号・2号・3号)】としての滞在が可能になっています。
外国人技能実習制度活用のメリット
若い実習生が社内を活性化
技術を学ぶために日本に来ている技能実習生はとても意欲的で熱心です。彼らの仕事に対する姿勢や勤勉な態度に触れることは日本人従業員にとっても良い刺激となり、仕事の見直しに役立つなど、全体に良い影響を与えます。

生産力アップ
指導員の下での⽣産活動や⼯事施⼯等の実務実習 が含まれるため、⽣産⼒の⼀部に寄与することも 期待されます。ただし、あくまでも「技能実習」 が⽬的なので単に労働⼒として受け⼊れるのでは なく、教育や訓練に主眼を置いた処遇が必須とな ります。

国際貢献による信頼性
技能実習生を受け入れることで国際的な企業としてのイメージ向上が図れます。また社員の皆様にとっても「国際貢献の社会的使命を果たしている」という誇りをもって仕事に向き合あっていくことができるでしょう。

業務工程の見直し
「担当指導員が教えるための準備を通じ、改めて工程やマニュアルの見直し、作業効率の改善ができた。さらにそのことで誇りを持って仕事に向き合うようになり、企業全体に良い影響を及ぼしている」という事例も報告されています。

経営の国際化
グローバル化の波の中、外国人技能実習生との異文化交流を経験すれば社内の国際化が進み、今後外国人との文化の違いに戸惑うことなく接するノウハウが、無理なく身につきます。

海外への足がかり
海外拠点を作る際にも頼りになる人材を育成できたり、実習生の帰国後も交流が続けば、その国への足がかりができます。

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外国人技能実習生受け入れまでの流れ
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技能実習生の受け入れ可能な職種
技能実習制度 移行対象職種 作業一覧表(88種161作業)
(注1)⚫︎の職種:技能実習評価試験に係る職種
(注2)■のない職種・作業は3号まで実習可能
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1 農業関係(2職種6作業)
職種名 作業名 耕種農業⚫︎
施設園芸
畑作・野菜
果樹畜産農業⚫︎
養豚
養鶏
酪農2 漁業関係(2職種10作業)
職種名 作業名 漁船漁業⚫︎
かつお一本釣り漁業
延縄漁業
イカ釣り漁業
まき網業業
ひき網漁業
刺し網漁業
定置網漁業
かに・えびかに漁業
棒受網漁業■養殖業⚫︎
ほたてがい・まがき養殖 3 建築関係(22職種33作業)
職種名 作業名 さく井
パーカッション式さく井工事
ロータリー式さく井工事建築板金
ダクト板金
内外装板金冷凍空気調和機器施工
冷凍空気調和機器施工 建具制作
木製建具手加工 建築大工
大工工事 型枠施工
型枠施工 鉄筋施工
とび鉄筋組み立て
とび石材施工
石材施工
石張りタイル張り
タイル張り かわらぶき
かわらぶき 左官
左官 配管
建築配管
プラント配管熱絶縁施工
保温保冷工事 内装仕上げ施工
プラスチック系床仕上げ工事
カーペット系床仕上げ工事
鉄製下地工事
ボード仕上げ工事
カーテン工事サッシ施工
ビル用サッシ施工 防水施工
シーリング防水工事 コンクリート圧送施工
コンクリート圧送工事 ウェルポイント施工
ウェルポイント工事 表装
壁装 建築機械施工⚫︎
押土・整地
積み込み
掘削
締固め築炉
築炉 -
4 食品製造関係(11職種18作業)
職種名 作業名 缶詰巻締⚫︎
缶詰巻締 食鳥処理加工業⚫︎
食鳥処理加工業 加熱性水産加工
食品製造業⚫︎節類製造
加熱乾製品製造
調味加工品製造
くん製品製造非加熱性水産加工
食品製造業⚫︎塩蔵品製造
乾製品製造
発酵食品製造
調理加工品製造
生食用加工品製造水産練り製加製造
かまぼこ製品製造 牛豚食肉処理加工業⚫︎
牛豚部分肉製造 ハム・ソーセージ・ベーコン製造
ハム・ソーセージ・ベーコン製造 パン製造
パン製造 そう菜製造業⚫︎
そう菜加工 農業物漬物製造業⚫︎■
農業物漬物製造 医療・福祉施設給食製造●■
医療・福祉施設給食製造 5 繊維・衣服関係(13職種22作業)
職種名 作業名 紡績運転⚫︎
前紡工程
精紡工程
巻系工程
合ねん糸工程織布運転⚫︎
準備工程
製織工程
仕上工程染色
系浸染
織物・ニット浸染ニット製品製造
靴下製造
丸編みニット製造たて編みニット生地製造⚫︎
たて編みニット生地製造 婦人子供服製造
婦人子供既成服縫製 紳士服製造
親子既成服製造 下着類製造⚫︎
下着類製造 寝具製造
寝具製造 カーペット製造⚫︎■
織じゅうたん製造
タフテッドカーペット製造
ニードルパンチカーペット製造帆布製品製造
頒布製品製造 布はく縫製
ワイシャツ製造 座席シート縫製⚫︎
自動車シート縫製 -
6 機械・金属関係(16職種31作業)
職種名 作業名 鋳造
鋳鉄鋳物鋳造
非鉄金属鋳物鋳造鍛造
ハンマ型鍛造
プレス型鍛造ダイカスト
ホットチャンバダイカスト
コールドチャンバダイカスト機械加工
普通旋盤
フライス盤
数値制御旋盤
マシニングセンタ金属プレス加工
金属プレス 鉄工
構造物鉄工 工場板金
機械板金 めっき
電気めっき
溶融亜鉛めっきアルミニウム陽極酸化処理
陽極酸化処理 仕上げ
治工具仕上げ
金型仕上げ
機械組立仕上げ機械検査
機械検査 機械保全
機械系保全 電子機器組立て
電子機器組立て 電気機器組立て
回転電機組立て
変圧器組立て
配電盤・制御盤組立て
開閉制御具組立て
回転電機巻線制作プリント配線板製造
プリント配線板設計
プリント配線板製造アルミニウム圧延・押出製品製造⚫︎■
引抜加工
仕上げ -
7 その他(20職種37作業)
職種名 作業名 家具製造
家具手加工 印刷
オフセット印刷
グラビア印刷⚫︎■製本
製本 プラスチック成形
圧縮成形
射出成形
インフレーション成形
ブロー成形強化プラスチック成形
手積み積層成形 塗装
建築塗装
金属塗装
鋼橋塗装
噴霧塗装溶接⚫︎
手溶接
半自動溶接工業梱包
工業梱包 紙器・段ボール箱製造
印刷箱打抜き
印刷箱製箱
貼箱製造
段ボール箱製造陶磁器工業製品製造⚫︎
機械ろくろ成形
圧力鋳込み成形
パッド印刷自動車整備⚫︎
自動車整備 ビルクリーニング
ビルクリーニング 介護⚫︎
介護 リネンサプライ⚫︎■
リネンサプライ仕上げ コンクリート製品製造⚫︎
コンクリート製品製造 宿泊⚫︎■
接客・衛生管理 RPF製造⚫︎
RPF製造 鉄道施設保守整備⚫︎
軌道保守整備 ゴム製品製造⚫︎■
成形加工
押出し加工
混練り圧延加工
複合積層加工鉄道車両整備⚫︎
走行装置検修・解ぎ装
空気装置検修・解ぎ装◯ 社内検定型の職種・作業(2職種4作業)
職種名 作業名 空港グランドバンドリング⚫︎
航空機地上支援
航空貨物取扱
客室製造■ボイラーメンテナンス⚫︎■
ボイラーメンテナンス (令和5年7月24日時点)
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技能実習生の受け入れ可能な人数
受け入れ企業様の常勤職員数(正社員数)によって1年間に受け入れることができる技能実習生の人数が法令によって定められております
受け入れ企業様の常勤職員総数 技能実習生の受け入れ可能人数 301人以上 常勤職員数の20分の1 201人~300人以下 15人 101人~200人以下 10人 51人~100人以下 6人 41人~50人以下 5人 31人~40人以下 4人 30人以下 3人 技能実習生が技能実習第二号に移行した場合
技能実習生が滞在2年目に入り「技能実習第二号」に移行した場合、 「技能実習第1号」の受入れ枠が空くため、新たに技能実習生を受け入れることができます。
技能実習生が優良認定を受けた場合
受け入れ企業・監理団体ともに優良であると認められた場合は、実習生が試験に合格すれば技能実習第三号に移行でき、また、基本人数枠から増やすことができます。
